綴る楽しさを教えてくれる、町の文房具屋さん。

 閑静な住宅街の中で風にはためく『ことりや文具店』の布看板。ゆるやかな音楽が流れる店内には、色とりどりの文房具たちが一つひとつ丁寧に並んでいる。「子どもの頃は個性的な形をした消しゴムをよく集めていましたね」。いつかは自分の店を持ちたいと考えていたオーナーの居倉郁子さん。家の建て替えを機に店舗を併設し、幼い頃から親しんできた文房具でお店を開くことを決めた。「旅先の北海道で小鳥の箸置きを見つけたんです。その可愛さに魅せられて以来、小鳥グッズを集め続けています」。店内のいたる所には小鳥をモチーフにした文房具やインテリア雑貨が置かれている。その中でも特に目を引くのは便箋や封筒などの手紙グッズ。「昔から手紙が好きなんです。手作りのお菓子をおまけとして添えることもあります。ポストを開ける瞬間が楽しみになりますよね」。手軽に送れるメールよりも、じっくりと時間をかけて綴る手紙に魅力を感じると言う郁子さん。カラフルで個性的な文房具が並ぶ店内では“この便箋を使って今度は誰に手紙を書こうか”と考えるだけで時間はあっという間に過ぎていく。ことりや文具店の文房具は使う楽しさだけではなく、誰かに言葉を届ける喜びも私たちにもたらしてくれる。


シンボルマークである小鳥が描かれた封筒。オリジナル商品は親しいクリエイターに作ってもらうため、デザインや数量は全てお任せしている。
店内に並んだ豊富なマスキングテープ。一番好きな文房具はテープだと言う郁子さん。
ご主人が手作りした棚や、郁子さんが探し歩いたインテリア雑貨など、店内にあるもの全てにこだわりが詰まっている。

Profile

居倉郁子(いくらいくこ)
ことりや文具店にて文房具を販売中。雑貨屋で働いた経験を生かし2010年11月にお店をオープンさせる。セレクト商品からオリジナル商品まで多様な文房具を取り扱う。
問/090-5924-1776 住/福岡市南区皿山3-8-7 http://kotoriyabungu.petit.cc

写真=中野岳・柳田奈穂 文=永溝直子