Studio Kura主宰=松崎宏史

海を越えてやって来るアートの風を蔵に集めて、新たな風を生む。

糸島にある米蔵に、ある日海外からアーティストがやって来た。蔵のアトリエで1ヵ月滞在しながら作品を制作し、期間中は誰もがその現場をのぞくことができる。このプロジェクトを仕掛けたのは、自身もクリエーターである松崎宏史さん。大学で美術を学んだ後、ベルリンの滞在できるアトリエで制作活動を行っていた。「一度帰国してアートと無縁の職についたんです。でも煮え切らない毎日で。実家の蔵を見て、“クリエーターならこの素材使うだろう”って自分に活をいれました。再びベルリンに移ったんですが、’07年にはじめて蔵にアーティストを呼んで作品制作を支援。本格的に“Studio Kura”プロジェクトを開始したのは、’08年12月日本に帰国してからです」。世界各国からやってきた作家たちは松崎さんと生活を共にしながら制作に励み、1ヵ月後展示会を行って帰って行く。「今まで培ってきた人とのつながりを活かしたかったんです。この蔵に情報や人が集まって、互いに影響を受けながら作品を生み出していけたらなって。それに地域社会にアートの理解を深めてもらう場になれたらなと思います」。日本的な自然あふれる環境に海外からの芸術の風を吹き込んで、松崎さんはそこから生まれるものをじっと見守っている。


Studio Kura主宰=松崎宏史
Studio Kuraでは趣味としてはじめる絵画教室から子供のための造形教室、美大受験のためのコースなども開講されている。
Studio Kura主宰=松崎宏史
Studio Kuraで制作中のレブ・ケージンさん。BlogにてStudio Kuraに訪れるアーティストの日々の暮らしなどが見れる。
Studio Kura主宰=松崎宏史
レブ・ケージンさんがStudio Kuraで行った滞在製作の成果を発表する展覧会にて。滞在中はさまざまな人と交流する。
Studio Kura主宰=松崎宏史
レブ・ケージンさんま作品の数々。

Profile

Studio Kura主宰=松崎宏史

松崎宏史(まつざきひろふみ)
福岡県出身。広島の大学で美術を学び、ドイツへ留学。’08年の12月に帰国し、自身も絵を描きながら「Studio Kura」を主宰している。
住/福岡県糸島郡二丈町松末586 問/090-5930-5988 http://www.studiokura.info/

TEXT=生野朋子 PHOTO=石川博己