イラストレーター=万野幸美さん

自然の中で描く、無限の水彩の世界。

柔らかく鮮やかな水彩のタッチで描かれた、今にも動き出しそうな生き物たち。イラストレーターとして挿絵や広告のイラストを描く傍ら、靴やバッグなどの布製品にも絵を描いている万野さん。「お友達の赤ちゃんに絵を描いた靴をプレゼントしたことがきっかけです」。身近にある様々な布製品をキャンバスとし、一人ひとりの個性に合った絵を描いていく。「動物って本当にたくさんの色を持っているんですよね。その美しい色彩をもっと引き出してあげたいんです」。動物や植物をモチーフとした絵を描き始めたのは、自然に囲まれた現在の家に移り住んでから。森に息づく昆虫や、季節で移り変わる庭の植物に、創作意欲が掻き立てられる。「直感を大切にしているので、下描きはしません。ふと聞こえてくる自分の心の声に、耳をすませて描いています」。一作品につき約一時間。頭がすっきりとする朝や昼寝後の時間が、最も集中できる。その時の素直な気持ちを筆に込め、手の動くまま、直接布へと描き出していく。「作品を受け取った人の声は勉強になるし、やる気にも繋がります。多くの出会いを与えてくれるこの活動を、ずっと続けていきたいですね」。繊細かつダイナミックな万野さんの世界観は、今日も自然の中で広がり続ける。


イラストレーター=万野幸美さん
今までに絵を描いたファーストシューズは130足に上る。プレゼントとしてオーダーする人が多いそう。
イラストレーター=万野幸美さん
庭を飛び回るトンボを描いた作品。まるで本物のような緻密さに驚かされる。
イラストレーター=万野幸美さん
出産がきっかけで、子供用品の作品を多く手掛けるようになった万野さん。自分の作品を身につけて育った赤ちゃんが大人になった時に、ぜひ再会したいと嬉しそうに話す。
イラストレーター=万野幸美さん
ひとつひとつ丁寧に描かれたシューズ。

イラストレーター=万野幸美さん細かいオーダーもくみ取ってくれる。


Profile

イラストレーター=万野幸美さん

万野幸美(まんのゆきみ)
福岡市内のデザイン専門学校を卒業後、パッケージデザイン事務所に5年間勤務し、結婚を機にフリーのイラストレーターとなる。現在は広告、雑誌のカット等を手掛けている。http://sangayama.manno.jp/

写真=石川博己 文=永溝直子