ル・カド=お菓子作家タケイサトミさん

暮らしのそばで生まれるお菓子は、心のこもった大切な贈り物。

家に遊びに来た友人に、紅玉を使ってパイを焼いた。その時の友人の「もっといろんな人に食べさせてあげたい!」というひと言が、ル・カドのタケイサトミさんがパイ作りを本格的に始めたきっかけだった。子供の頃から料理やお菓子作りが好きだったというタケイさん。好きなことをしていたいから、カフェで働くという選択はごく自然なことだった。夫の転勤で3年間東京に住むことになり、この慣れない土地でどうしようと考えた時、やはり食に関わることをしていきたいと思ったのだという。東京での新しい出会いや、周りの友人たちの影響もあり、タケイさんは自然にお菓子づくりと向き合うようになった。材料は、国産小麦やきび砂糖、青森・竹嶋農園の自然農法で作られた紅玉、自家製の栗の渋皮煮を使うなど、体にやさしい素材を選んでいる。「その時期にしか味わうことのできない、季節の楽しみを持って誰かに会いに行こう」。その想いが、少しずつ活動の場を広げていった。ようやく自分のライフワークを見つけられたというタケイさん。「いつか工房を持てたらいいなとも思うけれど、今は自分のペースで無理をせずやっていきたいですね」。ルカドは仏語で贈り物。心のこもった大切な贈り物をだれかのもとへ届けたい。ル・カドのお菓子は、日々の忙しさで忘れてしまいがちな暮らしのろうそくをそっと灯してくれた。


ル・カド=お菓子作家タケイサトミさん
パイの他に、ガレットやビスコッティなどの焼き菓子も。その季節限定の楽しみも見つけられる。
ル・カド=お菓子作家タケイサトミさん
お菓子作りはタケイさんの生活の一部。普段立っているキッチンでパイ作りを行っている。
ル・カド=お菓子作家タケイサトミさん
パイは注文が入ると一つひとつ丁寧に作られる。焼き上がる頃には部屋中がいい香りに包まれる。
ル・カド=お菓子作家タケイサトミさん
ギャラリールーモで開催されたパンと焼き菓子のイベント「eats! sweets! meets!」の様子。

Profile

タケイサトミ(たけいさとみ)
福岡のカフェで数年間勤務後、3年間の東京生活を経て、ル・カドという名前で活動中。イベントでのパイや焼き菓子販売のほか、インターネットでも注文可。
http://le-cadeau.petit.cc/

写真=柳田奈穂 文=加治屋愛子